投資として株式取引をする場合は、株式の購入時期が最も重要になります。
そして、適切な購入時期の判断材料になるのが「RSI」による分析です。
RSIとは
RSIは「Relative Strength Index」の頭文字を取ったもので、相対力指数と訳されます。テクニカル分析の手法として使用されており、株の買われ過ぎや売られ過ぎが分かります。
ある一定期間の株価の上昇や下降の数値をデータ化し、その比率を見ることで株式の売買の状態を判断します。
価格の変動幅を判断基準にするオシレーター系の分析法の一つです。
RSIの手法
例えば、A銘柄の5日間の株価と前日比の増減が以下のように推移したとします。
・基準日:1,000円
・1日目:1,160円、+160円
・2日目:1,140円、-20円
・3日目:1,250円、+110円
・4日目:1,340円、+90円
・5日目:1,270円、-70円
5日間における値上り額を合計すると、160円+110円+90円=360円です。
一方、値下り額の合計は20円+70円=90円です。
RSIは以下の数式によって、値上り幅の比率を表します。
・RSI(%)=値上り額の合計÷(値上り額の合計+値下り額の合計)×100
A銘柄の合計額を数式に当てはめると、以下になります。
360円÷(360円+90円)×100=80.0%
5日間のRSIの数値は80%です。
上記の例は5日間の数値を見ていますが、実際のRSIでは以下の期間を計算します。
・日足の場合:9日、14日、22日、30日
・週足の場合:9週、13週、26週
設定期間が短いほど振幅が大きくなります。一般的には、14日間の数値で判断されています。
RSIの数値における判断
RSIの数値が高くなるほど「売りのサイン」、低くなるほど「買いのサイン」となります。
50%を中心に数値が高くなると買われ過ぎ、低くなると売られ過ぎと判断します。
一般的に数値が「70~80%で売り」、「20~30%で買い」の目安とされています。
従って、A銘柄は80%なので、「売り」となります。
一方、値上り合計額が120円、値下り合計額が480円の場合は以下になります。
120円÷(120円+480円)×100=20%
この場合は売られ過ぎのため、「買い」になります。
RSIはレンジ相場で効果を発揮
RSIは株式相場が「レンジ相場(ボックス相場)」の時に効果を発揮します。
レンジ相場というのは、一定の値幅の範囲で価格が波のように上下動する相場のことです。つまり、価格がある一定のラインまで上昇すると、反転して下降するようになります。
また、同様に一定のラインまで下落すると、反発して上昇します。RSIはこのようなレンジ相場で価格が反転するポイントを見るのに役立ちます。
ただ、RSIは何らかの理由で価格が一方的に上昇したり、下落したりする「トレンド相場」の時には参考にできないという弱点を抱えています。